The Strike Goldが求めたのは、素材の特性と穿き手のライフスタイルが相まって織りなす唯一無二のエイジングの追求です。
どのように身体に馴染み、色落ち、経年変化をしていくのかを徹底検証し、生地の素材から各パーツ、パターン、縫製、ディテール、仕上げに至るまでをオリジナルのレシピを組み上げて拘りを持って作り上げています。
綿花の素材選定に始まる独自のレシピで織り上げていく旧式シャトル織機による独特の風合いを持つオリジナルセルビッチデニム生地や、往年の「ワークウェア」としての堅牢度や機能性という当時の実用的な目的が、現代では「味わい」としての目的や意味への変化となった背景は全て、「究極エイジング」と云う醍醐味であり、着用者の個性の為であります。
新品時には堅く穿き難かったジーンズも、着用する人の身体にゆっくりと馴染み、染められたインディゴが色落ちを初め、その着用者のみが味わい、作り上げることの出来る個性的で独特な表情を醸し出していきます。
The Strike Goldでは、ジーンズに対して「使い手の生活を映し出す鏡」と考え、穿く人にとって唯一無二の親友を育ててもらいたいと考えています。
|
至高のエイジングを生み出すために鍛え抜かれた丁寧な縫製 |
|
|
.jpg) |
The Strike Goldのジーンズは、「穿き込まれたジーンズのエイジング」をテーマに生み出されます。
至高のエイジングを追求する為に、The Strike Goldが作り上げるオリジナルのデニム生地もエイジングへの執拗な拘りを積み重ねて生み出された思いを込めた産物だが、このデニム生地という極上の素材を使って、ジーンズに仕上げていくためのレシピ(縫製工程)にも情熱を注いで取り組んでいます。
The Strike Goldの考えるジーンズのエイジングというのは、拘りの詰まったデニム生地があれば良いというものではありません。
擦り切れたポケット口や、ベルトループの中高の色落ち、前立ての擦れ、アウトシームやインシームのアタリやパッカリング、裾先の捻じれ、様々な箇所のエイジングが極上のデニム生地と相まって、立体的で存在感があり、風合い豊かなエイジングとして表れてくるのです。
つまり、どんなに拘りの詰まったデニム生地も普通にジーンズに仕立てる、単にビンテージ仕様に縫い上げるだけでは、The Strike Goldが思い描くエイジングは生まれてくるはずもないのです。
|
よりイメージに近いエイジングを生むために、縫製箇所それぞれにエイジングの検証を掛けながら、ミシンの走る運針、糸の太さ、テンション、縫い幅、縫い位置、生地の折り込み幅、折り込み位置、生地に対する糸の沈み込み方や膨らみと云った極細かな感覚的な答えを探り出すのです。
そして、その指示の多くの部分は当然、縫製仕様書だけで片付くようなものではなく、直に言葉で伝えきれないような空気感を顔を突き合わせて思いを職人と同期させながら、縫い上げていくのです。
こうして縫い上げられたジーンズと愛情をもって着用してくれるユーザーとのタッグだからこそ、至高のエイジングが生み出されるのです。
|
 |
|
|
「エイジング」を追求するための各仕様 |
|
錆びることで存在感が増すオリジナル鉄製ボタン |
|
 |
ジーンズを語る上で、鈍く光る銀色のトップボタンは、象徴的な大切なパーツの一つではないでしょうか。
The Strike Goldでは、オリジナルで製作した鉄製のトップボタンと小タックボタンを採用しています。 |
一般的な真鍮製やニッケル製のボタンを採用していない理由としては、たかがボタンとはいえ、長年の着用による独特で存在感のあるエイジングを楽しむことの出来る重要なパーツであるからです。
鉄素材が持つ強烈で存在感のある経年変化(エイジング)は、鉄特有の「錆びる」というネガティブな現象が、同時に非常に味のある表情を見せるという魅力に強く惹かれ、素材から製作したオリジナル鉄製ボタンとして採用しています。
ジーンズの長年の着用は、同時に幾多のボタンの開閉の為に、指で触るという作業を繰り返したことを意味しています。
こうしてボタンの開閉の為に指で触った箇所は、錆びを起こすことなく磨かれるように鈍く艶めきを放ってくれるのです。
また、錆が生まれた個所は、ボタン自体に独特の存在感を生み、アジとなって素材本来の生きた表情を見せるのです。
|
 |
|
|
ジーンズの名脇役たる拘りのオリジナル鉄製リベット |
|
 |
現代のように軽く丈夫で優れた化学繊維などない時代に、ワークウェアとして活躍した衣料には限られた素材同志を工夫して用いることでハードワークに耐えうる耐久性にまで鍛え上げられてきました。
ジーンズの各部位を補強するリベットもその一つです。 |
The Strike Goldで採用しているリベット(隠しリベットを除く)は、オリジナルで製作した鉄製の打ち抜きリベットとなります。
凹部、凸部ともに鉄製で製作されたこの鉄製のリベットは、凹側には銅メッキが施され、凸側にはメッキを施さずクリアの塗装のみを施しています。
この一見、不思議と思える凹凸部ごとの仕様の違いには、長年の着用によるゴールの違いがあります。
着目したのは、ビンテージウェアに見られる銅メッキが施された鉄製リベットのエイジングプロセスです。
現代とは違い、当時の鉄は安価で、その鉄を使ったリベットを補強としており、錆を防ぐために銅のメッキが施されていました。
しかし、当時の金属を成膜させるメッキ技術は、現代から比べると非常に大きな耐久性の差があり、幾度の着用の中でメッキが剥がれ、中の鉄素材が錆びてしまうことが通常でした。
|
 |
 |
The Strike Goldでは、こうした鉄素材特有のエイジングに強く感化されたことから、このパーツを注視し、答えを探したのです。
当時の銅メッキが施された鉄製リベットでは、、この「錆びる」という現象が起きることで、表面のデニム生地やポケットスレーキ(ポケットの袋布)のリベットの周辺が、錆により生地がほのかに茶色く滲み、絶妙な魅力を醸し出しています。また、銅のメッキが剥がれず、錆びずに残った部分も鈍くくすんだ艶を放ちながら鎮座しているのです。 |
この「錆びる」を表現するためには、現代の高度過ぎるメッキ技術ではメッキ自体が剥がれず、ただの銅メッキされた銅色のリベットになってしまいます。
そこで、凹部は、ジーンズの表面ビジュアルを飾る重要なパーツとして、長く着用した後も銅色を残し、それが傷や摩擦によって鈍くくすむようにと銅メッキを施しています。
また凸部では、「錆びる」ためにリベットを鉄の無垢な表情をそのまま生かすためにクリア塗装のみが施されています。こうすることで、ジーンズ裏面で見えるポケットスレーキ(ポケットの袋布)のリベットの周辺への錆と、その滲みが味わえるのです。
この鉄製リベットの存在感は、目立たずとも決して侮ることの出来ない殊勲のディテールなのです。 |
 |
|
ブランド名を静かに主張するオリジナル鹿革ラベル |
|
 |
ジーンズの革ラベルは、刻まれたブランドの存在と印字されたロットNo.が確認できるバックスタイルを飾る大切なディテールの1つです。
The Strike Goldがオリジナルで製作した革ラベルは、しなやかで柔軟かつ、強靱であるという特徴と、湿気に対する強さから、日本では奈良時代頃から武具などで用いられていた鹿革を採用しています。
製作をするにあたり、鞣し、革の厚みとThe Strike Goldのジーンズに、よりフィットするように吟味され、非常に重要なパーツして製作されています。 |
また、長年の着用による経年変化では、2通りのゴールを見据えています。
1つは、鹿革の銀面が剥がれ易いという特徴により、非常に個性的なアジを生み出します。
そして、もう1つは、銀面が保持された時の磨かれたように鈍く輝く鹿革の美しいエイジングです。
着用者にとってこの革ラベルは、メンテナンスを含めたジーンズとの長い関わりの中で、強く親しみを感じることの出来るものとなるはずです。 |
 |
|
強度を求めることで生まれた美しいエイジングの中高ベルトループ |
|
 |
穿き込まれたジーンズのパーツ各所に見られる様々な特徴的なエイジングの中でも、中心部分に生地が巻き込まれ高く盛り上がったベルトループに浮き出る摩擦によって色落ちをした魅力あふれる痕跡は、ヘビーワーカーたちの求める耐久性に応えた縫製技術が元になっています。
細長く裁断された生地を、中心部分に巻き込んで、その脇をステッチで抑える。
抑える2本のステッチは、中高部分と両脇のフラット部分の溝のように出来た境目を走り、強度が高く摩擦に対して糸切れがしにくくなる工夫がされています。
|
結果、長年の着用の中で主に縦に盛り上がった中心部分から色落ちを始め、特徴的なストライプ模様を生み出されるのです。
このディテールのためにThe Strike Goldでは、専用に製作したラッパと呼ばれる治具をミシンに取り付けてベルトループを作り上げています。 |
 |
|
金鉱を掘るツルハシをイメージしたバックステッチ |
|
 |
The Strike Goldの名は、ゴールドラッシュに明け暮れたあの時代のアメリカで、全米から集まった一攫千金を夢見る採掘者たちが、金鉱を掘り、正にゴールドを掘り当てた時の、「Strike Gold!!(金を掘り当てたぞ!!)」という喜びの叫び声に由来しています。
この「Strike Gold」という言葉は、現代では、「一攫千金」と言う意味で用いられることも多い、夢の詰まった言葉です。
|
こうしたストーリーを背負ったThe Strike Goldのジーンズのバックスタイルの象徴的な顔を飾るのは、金鉱を掘るツルハシをイメージしてデザインされたこのバックステッチです。
このバックステッチをあしらったジーンズを着用することは、夢を追い求める挑戦者たちにこそ相応しいのです。
|
 |
|
シラけて縮みが入る憎らしいオリジナルレーヨンピスネーム |
|
 |
右後ポケット左上に挟み込まれる「S.GOLD」の文字が織り込まれたレーヨン素材のピスネームも、シラけて縮みが入る憎らしいエイジングのパーツとしてオリジナルで製作しています。 |
なんとなく見過ごしてしまいそうな、こうした1つひとつは、ほんの小さな拘りを確実に積み重ねること、そして、金鉱を掘るツルハシを表現したThe Strike Goldのオリジナルバックステッチと相まって、生き生きとした表情の“らしさ”となっていくのです。 |
 |
|